■加須の偉人

教育者・神道研究家 河野 省三<こうの せいぞう>

河野省三は、明治15年(1882)に騎西町(現加須市騎西)の神官の家に生まれました。私立埼玉中学校(現不動岡高校)を卒業後、国学院大学で国語・漢文・歴史を学び、明治36年(1903)、同大学を卒業後、玉敷神社社司を務めるかたわら、母校の埼玉中学校の教師となり、大正4年(1915)からは国学院大学・曹洞宗大学(現駒澤大学)・日本大学・東京文理科大学(現筑波大学)等で教鞭をとりました。

昭和10年(1935)には国学院大学の学長に就任しました。同大学の学長は、それまでは官立大学出身の学長でしたが、初の国学院大学出身の学長が誕生したのです。同年、騎西町による大学長就任の祝賀会が盛大に開催されています。

長年にわたって精力的に神道と国学の研究に取り組み、膨大な著作物(主な著作『神道の研究』『国學の研究』『神祇<じんぎ>史提要』等)を世に著しました。

こうした研究成果に対し、昭和36年(1961)に池田内閣から紫綬<しじゅ>褒章<ほうしょう>を受章しています。

 昭和38年(1963)1月に逝去し、同年、騎西町の名誉町民第1号となりました。