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22 玉敷神社<たましきじんじゃ>のダルマ市<いち>

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 初春の風物詩<ふうぶつし>といえば、2月1日に行われる〝玉敷のダルマ市〟です。寒風の中、長い参道を埋め尽<つ>くすほどの露店<ろてん>が並び、威勢<いせい>のいい掛<か>け声が夜遅くまで飛び交<か>います。大勢の人で賑<にぎ>わう光景は、騎西の人々にとって大切な正月行事のひとつです。

 ダルマ屋さんは前日の午後の3時頃になると町にやってきて、町内の旅館に宿をとり、夜になると、荷車<にぐるま>をひいて神社に出かけました。

 神社に着くと、それぞれに店を出す場所が決められ、市の準備が始められます。そして、夜中の12時には、参道に店が並びはじめ、お参りの人もやって来ます。やがて人出は、日の出過ぎにはピークを迎え、神社は大いににぎわいます。その混雑ぶりといったら、一の鳥居<とりい>に立つと人混<ひとご>みに押され、いつのまにか拝殿<はいでん>の前まで来てしまうほどだったといいます。

 参道のあちこちでは、バナナの叩<たた>き売りやタル柿屋、ガマの油売りなどが独特の口上<こうじょう>で客を呼んでいました。なかでも子供達の人気の的はオモチャ屋さんでした。

 「♪ちょいちょい買いなよ、寄ってきな~」

 などと、おもしろおかしくオモチャを売りさばきます。まわりはラッパや絵本など買ってくれと親にねだる子どもでいっぱいでした。

 境内<けいだい>の空き地には、サーカスやヘビ娘といった見せ物があり、ひと目見ようと、押すな押すなの混雑ぶりでした。

 見せ物小屋は前の日から準備され、ここで2日ほど仕事をした後、隣の不動様<ふどうさま>(加須<かぞ>市)の年越しの祭り(節分<せつぶん>)へと移っていきました。