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33 新川<にっかわ>べりの水天宮<すいてんぐう>

お話を聞く

 

 正能<しょうのう>・諏訪神社<すわじんじゃ>に水天宮があります。水天宮はお産の神様で妊娠(にんしん>すると、安産を願ってお参りをしました。水天宮は、むかしは龍花院<りゅうかいん>の南、ちょうど鐘楼堂<しょうろうどう>近くの新川べりにありました。この神様は、第2次世界大戦の後、ここへ引っ越してきました。

 

 むかしは川で溺<おぼ>れる人や水の事故で亡くなることが多かったようです。特に水の犠牲<ぎせい>になった人を探すのは大変難しく、どうやっても見つからないことがありました。

 

 そんな時、有り難いおまじないがありました。水天宮のお札<ふだ>です。このお札をお盆にのせ、川上から流します。不思議なことに、人が沈んでいるところに来るとお盆がグルグル回りだしたといいます。

 こうして何人もの人が見つけだされたということです。しかし、川の改修<かいしゅう>で水の事故も減り、このお札もいつしか使われなくなりました。

 

※諏訪神社の境内<けいだい>に立つ水天宮は、高さ約80センチほどの石の祠<ほこら>です。正面に「水天宮」と書かれています。江戸時代の安政<あんせい>2年(1855)、正能村の人たちによって建てられました。