十六間筋兜<じゅうろっけんすじかぶと>
十六間筋兜(市指定文化財)

兜の発掘風景
鉢は鉄製で16枚の鉄板を矧<は>ぎ合せていることがX線写真からわかりました。
しころ(首の覆い)や吹返し(しころの両端返っているところ)の小札は革を黒漆で厚く固めたものと思われますが、革は腐食したため残っていません。
兜<かぶと>の特徴<とくちょう>
鉢が大きく、眉庇<まびさし>(鉢正面ツバに当たるところ)に覆輪<ふくりん>が無く、祓立<はらいだて>(正面の前立が付くところ)がソケット状で大きい。また、蜻蛉尻<とんぼじり>(祓立の下)が長いのが特徴です。
鉢もしころも同年代のものと考えられ、吹返<ふきかえ>し・しころともに二段ですが、しころの下方に穴が開いているため三段のしころの可能性があります。
これらの特徴から、この兜は15世紀末から16世紀のはじめに作られたと思われます。